2007年2月9日金曜日

「レッド・サン」


 夜8時のバラエティ番組にタレントの三船美佳さんが登場、父親・三船敏郎さんの話題が出たところで、ほんの少しこの映画が紹介されました。それがきっかけで無性に観たくなり、DVDを引っ張り出してきました。

 ‘71年製作の「レッド・サン」。ジャンルでいえば西部劇なんですが、製作国はフランス。監督は英国人のテレンス・ヤング。ロケ地はスペインという非常に変則的な映画です。西部の荒野をアウトローと一緒に日本の武士が闊歩するという、奇想天外な娯楽西部劇。でも好きなんですよ、この映画。

 何といっても、三船敏郎さん扮する黒田重兵衛の威風堂々のサムライ振りが素晴らしい。チャールズ・ブロンソン、アラン・ドロンという当時人気絶頂のスターを向こうにまわし、日本の武士道を貫くその存在感は、カッコイイの一言です。列車強盗団やコマンチ族が入り乱れる荒野ですっくと太刀を構える姿に、何の違和感も感じなさせないのは、いま観ても驚きです。

 この作品を映画館で観たのは高校生のときでしたが、強盗団に奪われた宝刀を取り戻すという使命と異国の地で出会った友人との信義に殉ずるサムライは強く記憶に刻まれています。私にとっては、この「レッド・サン」こそ“ラスト・サムライ”と呼びたい映画なのです。

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